夏のお魚

イワシ
イワシ

 昔から私たちの食生活に一番身近な魚であり、日本の全漁獲量の約半分を占めていた魚でもありましたイワシですが、近年その水揚げ量が激減しており、それに反比例して価格は高くなり、大衆魚から高級魚に変わりつつあります。一年を通して漁獲されていますが、脂がのって美味しい時期は、梅雨入りから初秋にかけてです。
 さてイワシと総称される魚は、マイワシ・ウルメイワシ・カタクチイワシの3種類に大別されますが、一般的にイワシと称されるのはマイワシのことです。マイワシには、体側に7個以上の黒点が並んでいます。この黒点がハッキリしているものが新鮮な証拠。買い求める時の目安として下さい。あわせて、太って丸みをおびたもの・目が透き通っているものが良いでしょう。
 栄養面ではビタミンB12・亜鉛・リン・カリウム・そしてEPA・DHAともに豊富に含んでいます。食べ方としては、刺身もしくは煮付けがお勧めです。特に骨までまるごと食べられるイワシの煮付けは、美味さだけでなく栄養の摂取の面からもお勧めです。内臓を取り除いた後水洗いし、布巾でよく水を切った後圧力鍋で20分ほど加圧。その後酒・醤油・味醂・砂糖で味付けし、ひと煮立てして完成です。お好みで生姜・梅干しを使っても良いでしょう。

主な調理方法
刺身、塩焼き、煮付けなど
スルメイカ(真イカ)
スルメイカ(真イカ)

 春から初夏にかけて、スルメイカが佐渡周辺に集まってきます。新潟では「真イカ」とも呼ばれ、県民に最も親しまれている魚のひとつです。スルメの語源は、墨を吐き群れることから「スミ・ムレ」が転訛し、「スルメ」になったといわれています。
 スルメイカは、新潟では春から初夏にかけて漁獲されますが、その後餌を食べながら大きくなり、青森・北海道沖合いまで北上します。新潟産のスルメイカはまだ若く、身が柔らかで甘みがあり、鮮度が良いのでお刺身に最適です。その他焼き物・煮物・天婦羅・内臓と合わせて塩辛にと、どのような料理にも利用が可能です。夏にかけて水揚げ量も増え、価格は求めやすい価格になってきます。

主な調理方法
酢の物、味噌汁の具、天ぷらなど
アジ
アジ

 読んで字の如く味が良いことから「アジ」と呼ばれ、特に3月頃から味が良くなることから魚偏に参という字があてられて「鯵」になったと言われています。一般的にアジと呼ばれているのはマアジことで、他にもクロアジ・シマアジ、ムロアジ、キアジ等があります。昔から大衆魚として親しまれ、手に入りやすい魚でしたが、近年では養殖も行なわれていると共に各地で漁獲されるアジのブランド化も進んで高級魚としての位置付けに変化してきました。
 生臭みが少なく柔らかい肉質で食べやすい為、生で、煮て、焼いて、揚げて、保存用に干してとオールラウンドにご利用出来ます。新鮮なものは刺身やたたきとしてお召し上がり下さい。
 アジには、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が多く含まれており、血中の中性脂肪やコレステロールの量を調整する働きがあります。さらにタウリンも豊富に含まれており、生活習慣病の予防や疲労回復効果に期待出来ます。
 5月に入り佐渡沖での水揚げが増えております。鮮度のいい物が大変お買い求めやすい価格で出回ります。これから梅雨にかけてが一番美味しくなります。

主な調理方法
刺身、寿司種、たたき、塩焼き、唐揚げなど